札幌市豊平区にて、リースバックのご相談をさせていただきました。
相談者のY様は50代独身、平成15年にマンションを購入、住宅金融支援機構より2,500万円の住宅ローンを
借り入れしました。
個人事業主で美容室を経営されておりましたが、若い頃からの不摂生により糖尿病や、長時間に及ぶ勤務によりヘルニアを患い、
現在は休職中です。
従業員は独立や結婚などにより退職をされ、最近まで1人で経営(営業)をしていたそうです。
また、2年前にお父様が他界され、70代のお母様と2人でマンションにお住まいになられており、現在はお母様の少ない年金と貯蓄で生活をしています。
兄弟もいないためこの先の母親の介護や、住宅ローンの他に国民政策金融公庫、カード会社、知人からの借金もあり、生活は心身共に困窮しておりました。
マンションの抵当権設定は住宅金融支援機構のみ、残債は1,000万円程度、売却をすることにより手元にお金が残ります。
しかし、自分1人ではなくお母様も同居しているため、出来ればこのままリースバックで住み続けたいとの事でご相談をいただき
ました。
住宅ローンは現在滞納はありませんが、固定資産税が2期滞納、カード会社が1ヶ月滞納しております。
任意売却ではなく早急に売却を進め、まず知人への借金を返済したいとのことです。
現実的に支払える家賃の希望と、しっかりとした保証人を付けていただくなど、リースバックにも条件があることをご説明させていただきました。
また、売却後に債務整理をご検討しているため、売却することにより手元に残る資金をどのように運用していくかなどの問題もございます。
資金があれば生活保護の申請の問題や、債務整理にも影響して参ります。
生きていても楽しい事が無い、そのようにお話しをされたY様の現在の状況が痛いほど胸に突き刺さります。
リースバックは本人が支払える家賃と、買主が希望する家賃により成立しないケースもございます。
また、とにかく手元に資金が欲しいので早急に売却をしたい、家賃はなんとか支払っていくので、という間違った選択をすることにより、
結果として売却後に家賃が支払えず、退去をされる方もいらっしゃいます。
Y様のように困窮している状況では、無理の無い家賃支払いをし、今後の生活を立て直すことのほうが重要なのかもしれません。