任意売却=借金がゼロとはなりません。
任意売却で自宅を売却しても、多くの場合借金が残ることをご存知でしょうか。では、残った債務はどうなるのでしょう。
債権者に対して「家を売却したので借金をゼロにしてもらえませんか」 と言ってみても、もちろんその願いは叶えてもらえません。「一括で支払ってください」「こちらへの返済計画を作成してください」などと言われてしまいます。 しかし債務者は、任意売却により唯一の資産を処分した後ですので、残債を今までと同じように月々の支払いをすることはとても不可能です。それができるなら始めから売却などしないはずです。
そこで、任意売却後の債務の返済は現実的な方法で話し合いにより調整することになります。
住宅金融支援機構(旧、住宅金融公庫)の場合
住宅金融支援機構の場合は、生活状況確認表・分割弁済申出書という月々の収支を記載する書類へ支払い可能な金額を記入し、それに基づき1年間若しくは5年間支払を行うことになります。多くの場合月々10,000円からの返済となっています。 更に、一定期間が経過した時点で再度生活状況確認表を提出することが必要であり、再度支払額の見直しがなされます。
ご依頼人様が破産し、保証人へ債権が移動した場合は、保証人所有の不動産に強制競売をかけてまで回収はせず、上記と同じような支払で行うことが多いようです。
現在、住宅金融支援機構は任意売却手続き・残債の支払い管理を外部機関に委託しています。
- 株式会社住宅債権管理回収機構
- エム・ユー・ フロンティア債権回収株式会社
- 日立キャピタル債権回収株式会社
- オリックス(正式名称)
上記のいわゆる「サービサー」と呼ばれる機関が受託しています。 詳しくは、住宅金融支援機構委託先債権回収会社についてを参照ください。
年金融資の場合
売却後に残債の支払額が確定し、約束した金額を毎月振り込むという形になります。その後、一定の時期を経過することで債権買取会社(サービサー)に債権譲渡を行います。通常は債権売却先には信販系のサービサーが多いようです。
民間金融機関の場合
民間の金融機関の場合では、無担保債権として残る残債は、債権買取会社(サービサー)に譲渡されますが譲渡を繰り返す場合もあります。 サービサーは、バルクセールなど額面の5パーセント以下で買取ることが多く、ここで債務免除交渉ができる場合があります。前例では売却後約1,500万円の債務が残りましたが、100万円で債務免除になったケースもあります。また本当に稀なケースではありますが、全く返済を請求してこない場合もあります。
売却後の残債の支払い交渉に一切応じない不動産会社も実際にはありますが、弊社は、物件引渡し・決済の際、債権者と抵当権の解除の交渉を行いながら同時に、売却後の残債支払い額をお客様と協力の上、交渉いたします。また状況により、法的整理が必要な場合には専門弁護士もご紹介しています。
※上記の内容は、当社におけるこれまでの任意売却後の残債支払い交渉や、売却後のご相談者様からのいただいた情報を参考にしています。
任意売却後の残債についてご理解いただけましたか?